食品の現場に最適な清掃ブラシが見つかる情報サイト。HACCP対応もお任せ。

お役立ち情報

お役立ち情報

2025.05.12

HACCPにおける異物混入対策とは?衛生管理者が取るべき原因・経路別対策

近年のHACCP義務化により、食品業界では全ての工程を通じた科学的な衛生管理が必須となりました。HACCPは、食中毒菌や化学物質だけでなく、金属片や毛髪といった「異物」も重要な危害要因として管理対象としています。

異物混入は、消費者の健康被害に直結し、企業の信頼を大きく損なう深刻な問題です。そのため、HACCPシステムの中で、異物混入のリスクを特定し、その発生を未然に防ぐ、あるいは最小限に抑えるための効果的な対策を講じることが、食品工場の衛生管理者様にとって喫緊の課題となっています。

本コラムでは、HACCPにおける異物混入の基本的な考え方から、その具体的な原因と対策、そして日々の清掃・洗浄における重要なポイント、さらに異物混入対策に貢献する衛生ブラシの役割について、詳しく解説していきます。

HACCPにおける「異物混入」とは?物理的危害要因としての理解

HACCPシステムにおいて、食品安全を脅かす要因は「危害要因(ハザード)」と呼ばれ、生物的、化学的、物理的の3種類に分類されます。「異物混入」は、このうちの物理的危害要因に該当します。物理的危害要因とは、食品中に含まれる、または混入する可能性のある物質で、摂取した際に消費者に物理的な傷害を与える可能性のあるものを指します。

具体的には、ガラス片、金属片(ネジ、針金など)、硬質のプラスチック片、石、木片などが物理的危害要因として重要視されます。これらは喫食した際に口腔内や消化器官を傷つけたり、窒息の原因となったりする危険性があるためです。毛髪や昆虫なども異物として消費者に強い不快感を与えるものですが、HACCPにおいては、直接的な物理的傷害のリスクが低いものは、必須の管理点(CCP)ではなく、一般的衛生管理プログラム(PRP)の中で管理されることが一般的です。しかしながら、消費者からの信頼という観点では、物理的傷害の可能性がある異物と同等、あるいはそれ以上に問題視されることが多いため、PRPでの徹底した対策が極めて重要となります。

HACCPの最初のステップである危害要因分析(HA)では、製品ごとに、原材料から最終工程までの全ての過程において、どのような物理的危害要因(異物)が混入する可能性があるかを特定し、その発生頻度や重要性を評価します。この分析に基づき、異物混入リスクを制御するための管理手段(制御措置)を決定し、必要であれば重要管理点(CCP)を設定、あるいはPRPとして管理計画を策定・実施していくことになります。つまり、HACCPにおける異物混入対策は、単に異物を取り除くことだけでなく、混入リスクを科学的に評価し、工程全体で予防的に管理する体系的な取り組みなのです。

食品工場で異物混入が発生する主な原因と経路

HACCPに基づく効果的な異物混入対策には、混入がどこから、どのようにして発生するのか、その原因と経路を正確に把握することが不可欠です。主な異物混入の原因と経路は多岐にわたります。

人に由来する異物(毛髪、爪、衣服の破片など)

食品取扱者からの異物混入は最も一般的です。不適切な身だしなみや手洗い、作業着の破損、装飾品や持ち込み品の落下などが原因となります。毛髪、爪、皮膚片、衣服の繊維、ボタンなどが製品に混入します。厳格な個人衛生と適切な服装、従業員教育による予防が重要です。

施設・設備に起因する異物混入(機器の破損片、サビ、塗料剥がれなど)

製造機械、配管、建物の構造体の劣化や破損、メンテナンス不足により発生します。コンベアのゴム片、機械部品、サビ、壁や天井の塗料・建材片などが挙げられます。設備の定期点検、補修、適切な材質選定でリスクを低減します。

環境に起因する異物混入(塵、埃、カビ、害虫、害獣など)

工場内外の環境から侵入、発生する異物です。外部からの塵埃、空調設備の汚れ、清掃不備によるカビ、害虫・害獣の侵入とその排泄物や死骸などがあります。防虫防鼠対策、施設の清掃・管理徹底が不可欠です。

原材料に起因する異物混入

原材料自体に付着または混入しているケースです。農産物に残る土や石、昆虫、加工原材料に含まれる異物などがあります。納入業者の品質管理、受け入れ時の検品、前処理での除去対策が求められます。

清掃・洗浄具に由来する異物(ブラシの毛、スポンジ片など)

清掃・洗浄に使用する道具自体が異物源となることがあります。劣化・破損したブラシの毛、スポンジの破片、タワシの繊維などが食品に混入するリスクです。衛生管理を行う上で見落とされがちですが、清掃具からの異物混入は無視できません。耐久性が高く、破損しにくい適切な清掃具の選定と管理が、この経路の対策には極めて重要です。

効果的な異物混入対策に不可欠な「清掃・洗浄」の徹底ポイント

HACCPにおける異物混入対策において、日々の清掃・洗浄はPRP(一般的衛生管理プログラム)の中核として極めて重要です。清掃は、単に美観のためだけでなく、異物混入の原因となる汚染源を除去し、リスクを低減する目的があります。食品残渣や汚れは、害虫誘引や微生物繁殖の温床となり、乾燥すれば剥がれ落ちて異物ともなります。これらの潜在的な異物源を排除し、衛生的な製造環境を保つことが、異物混入予防に直接つながります。

効果的な清掃・洗浄のためには、以下のポイントを押さえた体系的な実施が必要です。

  • ゾーニングに応じた清掃計画: 区域のリスクに応じた清掃頻度、手順、洗剤、清掃具を明確化。清掃具の色分け管理も交差汚染防止に有効です。
  • 適切な洗剤・殺菌剤の使用: 汚れや材質に適した洗剤を選び、濃度・温度を遵守。洗浄後は十分なすすぎを実施します。
  • 清掃手順と責任者の明確化: 誰が、いつ、何を、どのように行うかを標準化し、従事者への訓練を徹底します。
  • 清掃用具の適切な管理: 使用後の洗浄・乾燥・指定場所保管を徹底。清掃具自体が汚染源や異物源とならないよう、定期的な点検と交換基準の設定が重要です。

清掃・洗浄は異物混入を含む多くの危害要因を制御する基本であり、食品安全の基盤です。特に、清掃用具の選定と管理は、異物混入対策において見落とされがちですが極めて重要なポイントとなります。

見落としがちなリスク:不適切な清掃・洗浄具が異物混入を招く?

食品製造現場で衛生維持に不可欠な清掃・洗浄具ですが、選定や管理が不適切な場合、それ自体が異物混入の原因となりえます。これはHACCPに基づく衛生管理においても見落とされがちなリスクです。

主な清掃具由来の異物混入リスクは以下の通りです。

  • ブラシ毛の脱落: 摩耗や劣化で毛が抜けやすく、製品に混入するリスク。特に安価なブラシや古いブラシで発生しやすく、発見が困難です。
  • 清掃具本体や部品の破損: ブラシの柄、バケツなどの破損片(プラスチック、金属など)が異物となる可能性。不適切な使用や劣化がリスクを高めます。
  • 不適切な素材の使用: サビやすい金属や洗剤に弱い素材は劣化・分解し、サビ片や樹脂片が異物となりえます。
  • 清掃具自体の汚れや微生物: 不適切な管理は清掃具を汚染源とし、清掃対象を汚染(交差汚染)するリスクがあります。

このように、清掃具は適切に管理されなければ、衛生ツールから異物リスクへと変わります。HACCPに基づいた異物混入対策強化には、清掃の「やり方」に加え、使用する「道具」の品質と選定への配慮が極めて重要です。

株式会社高砂の衛生ブラシがHACCPに沿った異物混入対策に貢献できる理由

清掃・洗浄具が異物混入の原因となるリスクに対し、株式会社高砂の衛生ブラシはHACCPに沿った対策を強力にサポートします。食品工場の厳しい衛生管理基準に応えるため開発された、当社のブラシの主な特長をご紹介します。

HACCP対応の5色展開による、目視チェックと原因究明への貢献

区域や用途に応じたブラシの色分けは、HACCPで推奨される衛管理手法です。当社の5色展開ブラシによる管理徹底は、ブラシの置き場所間違いなどによる交差汚染リスクを目視で容易に発見・防止します。また、万が一異物が見つかった際も、その色から使用区域や用途を迅速に特定でき、原因究明と再発防止を効率化します。

特殊な三角柱の繊維による、異物混入時の明確な特定とトレーサビリティ

ブラシ毛の脱落リスクに対し、当社の一部ブラシは断面が特殊な三角形のオリジナル繊維を採用。この独自の形状により、万が一製品に毛が混入しても、顕微鏡などで断面を見れば当社の製品由来であると明確に特定可能です。これにより、異物混入時の原因究明と迅速なトレーサビリティ確保を強力に支援します。

「抜けない」「欠けない」を追求した高い品質と耐久性

ブラシ自体の破損や毛抜けを防ぐことが、異物混入リスクの根本的な低減につながります。当社は素材選定から製造まで一貫した自社管理体制で、この「抜けない」「欠けない」高い品質を実現。頑丈なポリプロピレンボディと独自の植毛技術により、過酷な使用環境でも破損・毛脱落リスクを最小限に抑え、清掃中の異物発生を防ぎます。

お客様の個別課題に応じたカスタマイズ・特注対応力

標準品では対応困難な特定の清掃ニーズには、個別対応で応じます。お客様の「困りごと」を丁寧にヒアリングし、使用箇所や汚れの種類に最適なブラシを設計・製造するカスタマイズが可能です。これにより、清掃が行き届いていなかった箇所の異物混入リスク解消をサポートします。

ブラシラインナップ

HPハンドブラシL

 

HACCPに沿った異物混入対策を強化するために:最適な衛生ブラシ選びは株式会社高砂へ

HACCPにおける異物混入対策には、清掃の徹底と適切な洗浄具が不可欠です。不適切なブラシはリスク源となります。株式会社高砂の衛生ブラシは、抜け毛・破損の少ない高品質、特定可能な特殊繊維、カスタマイズ対応力で異物混入リスクを低減し、トレーサビリティやHACCP対応をサポートします。異物混入対策の強化や清掃具選びにお悩みなら、ぜひご相談ください。貴社に最適なブラシをご提案し、課題解決を支援いたします。お気軽にお問い合わせください。

お役立ち情報一覧に戻る

資料無料
ダウンロード

お問い合わせ
お見積り依頼