
お役立ち情報
2025.07.11
基礎知識
HACCP導入の土台となる「PRP」におけるブラシの重要性
食品の安全性が重視される現代において、2021年6月に義務化されたHACCPは、食品事業者にとって不可欠な衛生管理手法です。
HACCPを効果的に運用するには、その「土台」となるPRP(前提条件プログラム)が極めて重要です。HACCPとPRPは両者が揃うことで、「最も安全な食品製造」が実現します。
本コラムでは、これらHACCPとPRPの基本概念、導入メリット、そしてPRPにおけるブラシの重要な役割について詳しく解説します。
PRPとHACCPの基本概念
PRPとは?
PRPは「Prerequisite Programs」の略で、「PP」と表記されることもあります。日本では「一般的衛生管理プログラム」とも呼ばれ、その名の通り、HACCPを実施する「前提」として、必要な基本的な衛生管理のことを指します。
PRPは、食品の製造・加工において、清潔で衛生的な環境を確保し、異物、ゴミ、微生物などを排除することを目的としています。具体的には、食品を取り扱うために一般的に考慮して整えるべき施設・設備、衛生的な環境(5Sや7S)、衛生的な食品取扱方法、ユ二フォーム、教育訓練の方法などがPRPを実施するために必要なこととなります。
日本の法制化で求められるPRP(一般的衛生管理に関する基準)の14項目は以下の通りです。
- 食品衛生責任者等の選任
- 施設の衛生管理
- 設備等の衛生管理
- 使用水等の管理
- ねずみ及び昆虫対策
- 廃棄物及び排水の取扱い
- 食品又は添加物を取り扱う者の衛生管理
- 検食の実施
- 情報の提供
- 回収・廃棄
- 運搬
- 販売
- 教育訓練
- その他(仕入元・販売先等の記録作成・保存、製品の自主検査記録の保存など)
▼詳しくはこちらをご覧ください▼
衛生管理基準の解説 (厚生労働省)
HACCPの概要と重要性
HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)とは、食品等事業者自らが、原材料の受入から出荷・提供まで全ての工程で発生しうる危害要因(ハザード)を分析し、それらを除去または低減させるために特に重要な工程を管理する衛生管理の手法です。
>>ブラシメーカーが解説!HACCP対応ブラシで食品工場の衛生管理を強化!
PRPとHACCPの関係性
HACCPを実施するにはPRPが不可欠
前述の通りPRPはHACCPの「土台」であり、HACCPを効果的に機能させるための「前提条件」です。HACCPでは、危害要因を分析する際に作業環境や作業手順、食材の取扱方法などが確立されている必要がありますが、PRPがしっかり整っていればいるほど、危害要因が少なくなり、HACCPの導入がしやすくなります。
HACCPにおけるPRPの役割
HACCPシステムにおいて、PRP(一般的衛生管理)は、食品工場全体の衛生管理を網羅する「基礎」としての役割を担います。原材料の入荷から製造、出荷まで、すべての工程における衛生上の危害を排除する包括的なフィルターです。
食中毒の主な原因は、PRPの不備にあるとされており、食品の安全を確保するには、このPRPの確実な実施が不可欠です。HACCPはPRPよりも上位の概念ですが、PRPなしにはHACCPシステムは成り立ちません。
PRP導入のメリット
PRPを導入し、適切に運用することは、食品事業者にとって多くのメリットをもたらします。
食品安全性の向上
PRPは、食品工場全体の衛生環境を清潔に保ち、微生物や異物の混入を防ぐための基本的な基盤です。PRPを実施することで、食中毒の発生リスクや異物混入のリスクを大幅に低減し、消費者に安全で高品質な食品を提供することができるようになります。従業員の健康管理や衛生習慣の徹底も、食品汚染リスクの低減に直結します。これらで食品の安全性を向上させることが、企業の信頼とブランド価値の向上にもつながります。
業務効率の改善
PRPの導入は、衛生管理だけでなく、以下の点で業務全体の効率化にも貢献します。
清掃効率の向上
清掃しやすい施設設計や、適切な清掃用具の使用、そして手順の明確化によって、清掃作業の効率が上がり、従業員の負担が軽減されます。
問題発生時の迅速な対応
明確なルールと記録体制により、問題が発生した際に原因特定を迅速に行うことができ、回収や廃棄といった対応もスムーズに進められます。
従業員のモチベーション向上
清潔で安全な職場環境は、従業員のモチベーションや定着率を高めます。衛生管理への意識が高まることで、自主性も育まれます。
PRPの一歩目として適切なブラシを
PRP(一般的衛生管理)は、HACCPを効果的に運用するための基盤であり、その導入は多岐にわたる専門知識や時間、費用が必要になります。
そこで食品の安全性を高める第一歩として、おすすめなのが適切なブラシの導入です。
耐久性やHACCPに対応したブラシを選ぶことで、低コストかつ即座に工場の衛生レベルを向上できます。
例えば、吊り穴付きブラシは、使用前後の洗浄・消毒・乾燥を吊り下げた状態で行うことができるため、清潔な状態での保管が可能です。また、ユニフォームにかけて持ち運べるため、衛生的です。
さらに、色分けされたブラシの活用もPRPに有効です。食材別などに色分けすることで、従業員はブラシの用途を容易に認識でき、衛生管理の徹底につながります。
このように、適切なブラシの選定と管理は、食品製造現場のPRPにおいて極めて重要です。食品の安全性と製品品質を確保し、製造工程ごとのリスクを管理するために、適切なブラシを選定・導入することがおすすめです。
PRP、HACCP実施に役立つ当社のブラシの特徴
異物混入ほぼゼロ!信頼と安心の日本製ブラシをご提供!
食品工場ブラシ選定ナビを運営する株式会社高砂は最新設備の導入と自社金型・自社植毛による完全一貫管理体制を確立しています。ブラシにおける汚れを落とす基本性能はそのままで、「抜けない」「欠けない」といった品質の作りこみを強化しています。普段使用するブラシから異物混入を防ぐことで、安全で衛生的な環境を実現することができます。
HACCP対応!5色のバリエーションと吊り穴機能
当社はHACCP基準に対応した高品質ブラシを提供しており、多くの食品工場で導入されています。5色のカラーバリエーションにより、エリアや用途に応じた色分けが可能で、交差汚染を防ぎます。また、吊り下げ穴で衛生的に乾燥でき、作業服への装着機能でブラシの汚れ付着も防止します。
▼当社の採用実績はこちらから▼
ブラシカスタムでお客様に合った衛生管理が可能!
食品工場ブラシ選定ナビを運営する高砂は、お客様のご要望に合わせてカスタム対応することが可能です。用途に合わせた毛の種類や硬さ、持ち手部分の長さなどの調整といったカスタマイズから、清掃対象に合わせた特注品の製作まで、お客様の求めに応じて柔軟に対応しています。
▼当社のブラシカスタムサービスはこちら▼
https://food-factory-brush.com/service/235/
ブラシラインナップ
HPMベーカリー磁性ブラシ
このブラシは、世界初の「色付き金検対応特殊毛材」を使用しています。通常の毛材に特殊な金属を最大限に配合しつつ、独自の製法で色付けも実現。これにより、目視での識別と金属検出器での反応を両立させています。
ハンドル付きで、植毛部が長く小さなほうきのように使えます。毛丈は50mmで、柔らかすぎず硬すぎない使用感です。グリップは四角く、粉末が付着しても滑りにくく、長時間の使用でも疲れにくいデザイン。先端には吊り下げ穴があり、衛生的に保管できます。
粉末や細かいゴミの掃除に最適で、カウンターや機械上の清掃に役立ちます。製粉・製麺工場など、粉体を扱う現場のお客様から特にご好評いただいています。
HPMボトル磁性ブラシ一体型
このブラシは、落下時の破損を防ぐ粘りのあるポリプロピレン(PP)製で、瓶やタンクの洗浄に特化しています。
ブラシ先端は360度放射線状に毛が植えられており、柄と一体型のため、パイプクリーナーより強い力で擦り洗いが可能です。柄の先端には吊り下げフックが付いており、衛生的に保管できます。
特に、食品工場様の大型鍋、釜、タンク、筒状のパイプや機械の隙間洗浄におすすめです。直径はΦ70、Φ80、Φ90、Φ100から選択可能。ヘッド全体に毛が植えられているため、隅々まで清掃できると好評です。
また、世界初の「色付き金検対応特殊毛材」を使用しています。特殊金属を最大限に配合しつつ、独自の製法で色付けも実現。これにより、目視での識別と金属検出器での反応を両立させています。
まとめ
HACCPの義務化に伴い、その基盤となるPRPの重要性が高まっています。PRPは手洗いや清掃、従業員教育、製品回収まで多岐にわたり、単に実施するだけでなく、その必要性を理解し、継続的に改善していくことが食品の安全確保につながります。PRPの徹底は、食中毒や異物混入のリスク低減に加え、ブランド力向上、生産性向上、従業員満足度向上といったメリットをもたらします。
PRPを徹底する上で不可欠なのが、食品用ブラシです。適切な清掃用具の使用は異物混入リスクを最小限に抑えます。PRPやHACCPの導入は、まず身近で変えやすい清掃用具から始めるのがおすすめです。
株式会社高砂の衛生ブラシは、抜け毛・破損が少なく、特定可能な特殊繊維を使用しており、異物混入リスクを低減し、トレーサビリティやHACCP対応をサポートします。異物混入対策の強化や清掃用具選びでお困りでしたら、ぜひ高砂へお問い合わせください。最適なブラシを提案し、課題解決を支援します。
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